こんにちは、あやです。暑い日が続いてますね。
ところで、先日モヒくんと「いちばん好きな漫画ってなんやろ?」というくだらない話しをしていたのですが、お互い候補が多すぎて、選びきれなくて、その時は結論まで至ることができませんでした。
その後も気になってひとりで考え続けた結果、池田理代子の『オルフェウスの窓』はかなり上位にランクインするのではないかと思います。
連載が開始されたのが1974年ということなので、当時まだ3才だった私はその存在すら知らなかったのですが、けっこう大人になってから、知人の勧めで文庫版になっていたものを読みました。
南ドイツの古都・ニーゲンスブルクの音楽学校を舞台に、旧家の跡取り息子として育てられているが、実は女の子であるというユリウスを主人公として物語は始まります。
異母姉妹との家督相続をめぐる確執や、ギリシャ神話の悲恋にならって『オルフェウスの窓』と名づけられた伝説の窓で出会った青年クラウスとの恋といった、小さな町での出来事から始まった物語。
それがやがて音楽の都ウィーンへ、そして革命最中のロシアへと、ヨーロッパ各地へ広がっていくのです。
なんかやたらめったら人が死ぬなぁ。とか、こんな不幸続きってありえる?とか、初めのうちは突き放した目線で読んでいたのですが、よくよく考えてみると舞台となっているのは1900~1910年代頃だと推測され、もちろん今ほど医学も進歩しておらず、当時の身分の違いや貧しさのレベルは、実際に大きな不幸を沢山生み出していたに違いないと思い直したのでした。
少し固い話になってしまいましたが、愛とは何か、芸術とは何か、深く考えさせられる作品です。
後半は歴史上の実在の人物も登場したりするのでお勉強にもなるかも。