2009年11月30日月曜日

ギリシャ旅行~神話の世界、アネテ編~

こんばんは。
ギリシャ旅行日記のつづき、本日はアテネの記録です。


クルーズを終え、船は朝港に到着したので、
初日に泊まったホテルにまたチェックインして行動開始。

この日と翌日丸一日、アテネを満喫しました。


一日目は、パルテノン神殿があるアクロポリスへ、
古代アゴラをぬけて散歩。

アゴラとは人の集まる所を意味するそうで、

紀元前六世紀頃から発展した人々の生活の中心地です。


政治、経済、文化の拠点でもあり、

政治家や哲学者が熱弁をふるい弁論を交わしていた場所。


民主主義が発展した場所でもあります。

「無知の知」で有名な哲学者、ソクラテスもここで活躍し、
最後は裁判にかけられ死刑宣告を受けたのもここ。


そんな賑やかさとは裏腹に、

現代ではまったくの静寂が宿るこの地を散歩していると、なんだか神聖な気持ちに…。


所々、何気なくごろごろしている石でも、
よく見るとどれも遺跡だからびっくりしてしまいました。

ひとつひとつ、彫刻が施されており、
紀元前の人々の手作業を感じ取ることができます。



いまは鳥がさえずり、あたたかな陽光の差すこの園内では、

そんな石さえも自然の力の中で緑にうもれて、
終わりとも永遠ともつかない、 時間が止まっているかのような雰囲気。


ラピュタなども連想されました。

そんな諸行無常感が支配するこの場所に、

いつまでも漂って居たくなってしまいました。





そんな場所を散歩して高台へ進み、
いざアクロポリスへ。
アクロポリスとは、「上の都市」という意味で信仰を集めた場所。

かの有名なパルテノン神殿も、ここにあります。



さっきまでの雰囲気とは一転、

広がる空間の爽快さに心がすかっと掻っ攫われました。


ここは風景が壮大、壮麗すぎて本当に感動!!


教科書などで誰しも一度は見たことがあるあのパルテノン神殿、
ばっちり目の当たりにしてきましたが、
何がすごいって、このベタな写真では伝わらないところにすごさがありました!!



この高台は360°パノラマビューなんです!

街は一望、山や20~30㎞離れた海さえも遠くに望むことができるこの場所は、

本当に本当に素晴らしい景観で、一言では言い表せません。


↓スライスされているかのような柱…こう見ると小さいですが



↓鳩までも哀愁…


ちょうど夕暮れが近く、陽が傾いた頃で、美しさこの上ありません。
充実した時間を過ごすことができました。



翌日は所変わって、国立考古学博物館へ。


これもすごすぎました…


何がって、急ぎ足でも5時間はかかったボリューム。


ギリシャ各地から発掘された紀元前~紀元後までの様々な品が、
時空を超えて大集結してます。

今は、2009年ですよね。


ここには、紀元前3000年くらいのキクラデス文明のものから、

紀元後数世紀まで、あるんです!


軽い興味で行ってみたかった場所だったのですが、
この数千年の歴史を、たった数時間で片付けようなんて浅はかも甚だしかったです…



有名な彫刻の数々を目の当たりにすることができ、感激!

本などで見るのとは違い、
やはり本物の質感とディティールの繊細さには圧倒されます…。


そして後ろや斜め、下からなど、

普段一切見ることができない角度から形を見ることができるのも醍醐味。


さらにほとんどのものが写真もOKなのがうれしい!



↑こちらも有名ですよね。海から出てきたそうです。
見つけた人はさぞたまげただろうなあ~。。


そして全体比、アクセサリーの多さに改めてびっくり。

アテネでもミコノス島でも、観光地にアクセサリーショップが多い理由が分かりました。


現代でもなかなか真似できない素晴らしい職人芸が生きているアクセサリーは、
本当にどれも素敵で、恐れ多くも欲しいものばかりでした!

こんなに紀元前の古代から、美しさが完成されているものってすごい。

まさに、永遠の美。


多くのアーティストがインスピレーションを得ているのは間違いないと確信。


ブレス?ネックレス?本当に小さい2cmくらいのものにこんな彫刻が!
一人でいいからほしい!



エジプトコレクションより、スカラベ!

ヘイトアンティークルームに入荷していたつけ襟を思い出しました。




ひとつひとつが、細かい!美しい!!すごい~~~



こちらは、なんとコンピューター!

右がX線写真ですが、

今年だか昨年だかにやっと高度な計算をしていたものだと分かったばかり。
以前ニュースで目にしましたが、本物を見るとは思っていませんでした。



壺にも神話の世界。憂い気な表情が美しい。




そんな訳で、両日ともにその後は市内のあちこちを散歩して(やっぱり犬だらけ)
街の雰囲気も堪能したのでした。

とくに、ホテルのあったプラカ地区は
古い町並みが保護されている地区で、
どこも絵になる風景でした。


これも色々発見があって楽しかったのですが、
もう散々長くなってしまったので…
割愛します。




市内のどこからでも見えるアクロポリス。

そんな神聖な場所に見守られたアテネの人々のくらし。


ギリシャの人には、普段の生活の中にいつも神話があるんです!

日常の中に古代の文化が息づいている、

そんな美しい土地の魅力に、すっかり魅せられてしまった私たちでした。




その昔、年表を追うだけの学校の授業に、

「これからは未来しかないのだから、過去なんて振り返る必要あるのだろうか」
と思っていたバカ学生の自分を叱りにいきたい思いです。


ローマは一日して成らず、とはよく言ったもの。
こんな時代を経て、このあとローマも築かれていくのです。


温故知新、そんな言葉の本当の意味を、

この壮大な時間の流れの中で深く実感した旅でした。


またいつか、こんどはもう少し勉強して、必ず訪れようと思います。


長いお話、お付き合い頂きありがとうございました。

旅行日記は以上となりますが、 また近々、
ギリシャに纏わる映画や本のことを少し書きたいと思います!


↑一人前でもこんなことに…食べ物は塩とコショウでシンプルなギリシャでした。