2008年10月28日火曜日

太陽と月と大地が重なる時

こんにちは。Y平です。

先週、写真家の米原さんのお誘いを受け、貴さんと
ライブシューティングイベント『太陽と月と大地が重なる時』に行ってきました。



アップリンクは学生の頃にちょこちょこ行っていましたが
移転後は初なのでかなり久々。

http://www.uplink.co.jp/factory/log/002792.php


人が動くことで美しさを表現する服飾作家、
田川朋子さんの服を纏うモデルが、
本物のお花を髪に活ける花結い師TAKAYAさんの手にかかり
ビジュアルショックな写真家、 米原さんが撮影することでひとつの作品となる。
そんな一風変わったイベントでした。


動きにより様々な表情を見せる衣を纏ったモデルが一人出てくる。
ウォーキングしたのち、花束を持ち軽く腰掛ける。
そこに一人の男があらわれ、
モデルが手にしている花束からよく吟味し、
一本一本髪にセットしていく。

様々な素材を大胆な感覚で、ひとつ、またひとつ頭へ。
ときにはバランスを見ながら繊細に、丁寧に盛られたヘッドドレス。

華やかで美しい大ぶりの花から
かわいらしい実のような花の儚げなドライフラワー、
あじさいのボリューミーなドライフラワー

時に染めた草が竹のようにしなやかに曲げられ建築のような造形美

時につつじのような木が根っこごと現れ頭に取り付けられる奇妙な立体感



男性も女性も、そこから生えているかのように植物が頭に再構築されるさまは
なんとも不思議で美しいものでした。

人そのものがアートになる。

違和感を感じさせない隙のなさ。
モデルの内面までも引きずり出されたかのような迫力ある造形。
そんな完璧とも言えるバランスが素晴らしく、
これは、ファッションにも似た感覚だと思いました。
ショーの如く。

切り離され水を絶たれた花の美しい時間はとても短く、刹那的なもの。
日々店頭で目にする古き良き50'sヘッドドレス達
も、
人間の、自然に対するかなわぬ憧れと美しさを讃えて生まれたのかしら。
さらに美への永遠の憧れでもあるかのような。
50年を経てもなお鮮やかに咲き続けるヴィンテージのお花にも、
そんな人間の憧れを感じずにはいられません。



さて花に彩られた人は、カメラの前へ。
ペインティングした背景を背にわずか五分ほどで撮影。
デジタルカメラで撮った分はすぐPCに転送されプロジェクターで映し出される。
一枚、また一枚。
緊張…


全部で作品は五体。


即席で投影された写真は、
今、この場でこの目で見ているものとは全く違う「作品」となって現れる。
生き物である人と花と、二度と同じ形にはならない布のシルエットの、
一瞬を永遠に変える瞬間。
そんな新鮮な驚き。

誰もがパソコンで簡単に画像を加工できる時代となりましたが、
米原さんは完全にアナログ処理でこの色や空間を創り出すというから驚きです。
まさに、ビジュアルショック。
真似のできない衝撃的な作風でおもしろい。
神話的コンセプトも興味深いお話でした。

もちろん撮影禁止だったのでお伝えしきれませんが…
写真展も近々あるとのこと。

http://www.uplink.co.jp/gallery/log/002821.php

アナログ撮影分のこの日の写真が、どう仕上がるか楽しみです。

下記のサイトからも皆さんの作品はご覧になれますが、
機会があったら、ぜひその眼で確かめてみてください。


   花結い師 TAKAYA  http://takaya.boo.jp/
   服飾作家 田川朋子  http://www.tomocotagawa.com/
   写真家  米原敬太郎 http://www.yoneharakeitaro.com/