2009年2月21日土曜日

メディアアートとICC

こんにちは。明日香です。

オペラシティが初台にできて10年以上経ちましたが、
NTTインターコミュニケーションセンター(ICC)
設立の1997年からずっと好きな場所です。





もともとインスタレーション作品が好きで、
簡単に言うと、その場の雰囲気まで全て演出された空間のアート作品です。
日常から隔離された現実がそこにあります。

そうした作品のたぐいで、
さらにメカニカルなものが好きな私が強く惹かれたのが、今で言うメディアアート。
デジタルなもので作られた芸術です。

(空間まで巻き込まないものもあるメディアアートですが、
そこは用語のボーダーラインなのでどうか気にしないでください。)


ここが出来た時代、
そうインターネットが一般庶民のものになりつつあった当時、
メディアのそれまでの概念が覆されようとしていました。

今でこそGoogleで何でも調べられるようになりましたが、
インターネットがないに等しい一昔前は「わからない」ことを調べるには相当労しました。
そのため分からないまま放置していたことも少なくありませんでした。

パソコンやインターネットの普及の恩恵を受け、
情報が受動的なものであった時代から
能動的なものに変わる画期的な時代の到来を実感し、
私は衝撃を受けつつも予測不能な未来への、
期待のドキドキでいっぱいでした。



そんな時に知って、新しい世界を感じたのが、ICCです。



インスタレーション的デジタルな作品のおもしろさは、
その人が触れることで変化するものが多いということです。

作品に触れることでその人なりの作品ができる、
もっというと触れた人へ「気づき」を与えるような仕掛けがあることです。

もちろん絵画や彫刻が全て一方的とも、
メディアアートが全て一方的じゃないとも言い切りはしません!
(過去に見てきたいろいろは、機会があったらお伝えしたいと思います。)


しかし後者は、美術の知識など全くなくても、好き嫌いも大して関係なく、
誰もがそのおもしろさを実感しやすく、共有できるアートであると言えます。

一見なんだか分からなくても、想定外の驚きや感動を与えてくれる、
そんな遊び心が大好きです。


近年は「アート」とカテゴライズされていない建築や
インターネットサイトやサービス自体も、商用でも個人作品でも
十分にメディアアートと呼ぶにふさわしいようなおもしろ味のあるものも多く、
正直見慣れてしまって飽和した雰囲気も漂うメディアアート。

ICCもちょっぴりマンネリ化??と思いつつも、
先日舞台を見に行ったときに久々に立ち寄ってみました。

ここはいつも常設展(無料で誰でも見ることのできる長期に亘る展示)と
企画展(有料の短期の展示)があります。

企画展は規模も小さいものでしたが、それなりに楽しめました。
今回は光と知覚がテーマ。期間中、¥500で二回見られるそうです。

「ライト・[イン]サイト」展


この企画展は今月いっぱいなので、気になる方は急いでどうぞ。

実際、ICCはガチガチの美術館ではないので、
お子様やデートコースにも、おすすめ。



以下、個人的に気になった展示

常設展:昆虫のすべての部位にピントを当てることができるというすごいカメラを駆使した作品
実寸?から乗れそうなサイズまで自由気ままに拡大縮小可能。
気持ち悪いを通り越したサイズで見る昆虫は、色も作りも美しく、つくりもののようだ




★常設展:URLなかったですが…大きな木でできたアンテナがくるくると回っており、
缶とノートパソコン(しかも縦って!)が適当に取り付けられていた一見適当な装置は、
確か電磁波を収集していました。




企画展:ミラーボールがぎらぎらのお部屋。飛んでるような感覚になる。酔いそう。




企画展:ミストに光を当て、壁を感じさせる不思議な作品。本当に壁のようだった。




★常設展:足元のガラスの下にはアート年表BOX。創設時からあるけど、
幾何学的でおでんの具ような人々がくるくる回ったり踊ったりする、
このバレエが滑稽で大好き。バウハウス展でも見た1920年代のトリアディック・バレエ。



YOU TUBEでも発見。便利な時代だなあ~。。





うーーんでも個人的には正直物足りない!
もうちょっと元気がほしいよICC!!

時代的にも、この分野の次なる発展はもうすこし先かしら…なんて考えつつも。。

ICCが、次なる世界への扉を開いてくれることを願って。