2009年4月20日月曜日

諸星先生とユリイカ

こんばんは。明日香です。
今日はマニアックなマンガネタです。あらかじめご了承ください。







ひとつ前のユリイカが諸星大二郎先生の特集だったので、
つい買ってしまいました。

詩と批評の雑誌、『ユリイカ』。。


はじめてまともに読みましたが、ほんとに詩と批評だけでした。

…。


そもそも自分は「批評」というものにあまり興味がないタイプなのですが、
やはり多くの人が言葉で紡ぎだして理解に迫ろうとしているのは、
それなりに表現の工夫が必要な訳で、なかなか勉強になりました。

また、自分の中の形ない理解のようなもんわりしたものに、
客観的ことばを当てはめて再認識できたというか何というか。

結局うんうん頷いたりしてしっかり読破してしまった。




で。




本題ですが、

私はこの偉大な漫画家の先生の作品が好きです。

といってもこの五年くらい。
それでも、一番好きといっても過言ではない漫画家さんです。

それまではその線に対し、勝手に食わず嫌いで手にしていなかったので、
初めて読んだとき、早くから読まなかったことを後悔したのを覚えています。

大御所なのに特別に目立って活躍していない不思議な諸星先生。。
それでも淡々と描き続け…
どれも名作で地味に息の長い作家さんなんです。

諸星先生は、「SF」と軽く評されることも多いですが、
手塚先生すら「真似できない」と言わしめたその独特な線と
壮大すぎるストーリーが魅力です。

あいまいで不安定な線が、
見えないものに対する不安をいっそう掻き立てて、
作品をぐっと深いものにしている。

ストーリーも実に様々で、いずれも巧みで壮大というか無茶!
なのになぜか引き込まれて納得させられたりする。。
そして、どの作品も「不安」感はあっても「暗く」ないのも個人的に好ましいのです。
作者の性格なのだろうかー。と思ったり。


短編から長編までさまざまで、そのどれもがわたしは好きなのですが…


・地球に墜落した何かのせいで、物も人も地球上全部がぐにゃぐにゃ融合していく話
・大人がこどもの姿で生きる王国の壊れたお話
・グリム童話的、でも不思議なお話
・感情を視覚化して幾何学模様を持っているどこかの星のどこかの国のいつかの話
・東北の隠れキリシタンの衝撃的話→これは「奇談」という映画になりました
・ノスタルジックな土手と幼なじみとUFOの話

・中国の昔、顔のない神様がらくがきされて人間になり破滅していく話
・民族学者が神話に迫って不思議な体験をするシリーズもの
・生首を飼ってしまう等不思議ギャグ?女子高生シリーズ→これも昨年?ドラマに。
・日本創世記の話

ほかにもいろいろ不思議な作品があり。。


ホラーっぽさもあればSFちっくでもあり、
時に哲学的でもあるし宗教的でも民俗学的でもある。。

そして時代や国を超えた壮大すぎるストーリー展開にびびります。
すごすぎて、さっぱりついていけない。

どこまでが真実か否かわからなくなる。。(勉強不足もあるけど)



でも、おもしろいんです。


キャラがたっているのもいい。
(稗田先生と顔のない神様のブラックっぷりが本当にかっこよくて二人に一時恋い焦がれてました!誰も分からないと思うのでこれ以上は言いません。。読んでみてください)




ユリイカで批評者の皆さんが共通して説いていた
「不安定な線の魅力」「境界」「反ユートピア」論に同感。

わたしが何においても一貫して好きな「日常の中の非日常」というテーマにも
通じる居心地の良い違和感があります。


神話や民族学など好きな人、中国の昔話や日本の神話など
不思議だったり奇妙なものがお好きな方はぜひご一読のほど。

SF小噺から世界の神話まで
新しい解釈というか斬新な発想で、未知なる世界観でマンガになってますゆえ。


あ、置いていない本屋さん多いです。
下北沢のヴィレッジ ヴァンガードはまあまあ揃ってます!
(直筆サインがあるのを勝手に注目しているのですが、知ってる人いますか?)



▼最近お気に入りのiphoneアプリ



Wi-Fiを拾って音楽にするという非常にシュールでストイックなアプリ。。
ひたすらJAZZっぽい無意味な音が演奏されつづける。。

五感で感じられないものを五感で感じさせるようにしているセンスがツボ。
iphoneもっていると、今どきどこもかしこも電波だらけでびっくりします。
どこか遠く山にでもいったら音でないのかな、なんて。

かなり地味なんですけど。。こういうの好きなんです


【sniff_jazzbox】
http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewSoftware?id=293598867&mt=8



以上 微妙な話題でした~