2009年4月28日火曜日

ファッションの20世紀

こんにちは、あやです。
 
久々に、最近読んだ本のお話。
 
集英社新書から出た、
横田一敏 著『ファッションの二十世紀』という本です。 
 
末端ながらファッションに関わるお仕事をさせていただいている者にとっては、
大変ためになる興味深い内容が沢山詰まった一冊でした。 
 
1800年代半ばから現代までのファッションの流れが、
難しい言葉や専門用語を使わずわかりやすくまとめてあるので読み易く、
いつかどこかで見聞きしたことのあるエピソードも
順を追った流れの中で紹介されると頭に入ってきやすかったです。
 
ファッション史といっても偉い学者さんが書いた教科書のようなものとは違い、『流行通信』の編集長を歴任され、数々のプレタポルテやオートクチュールのコレクションを自ら取材なさっていた方の言葉なので、リアルに響いてくるのだと思います。
 
ファッションは芸術や芸能とは切っても切れない関係があり、それぞれの時代のアーティストやデザイナーが互いに影響を与えあっています。第一次世界大戦後オートクチュールデザイナーとして不動の地位を築いたココ・シャネルとコクトー、ピカソ、ストラヴィンスキーなどとの親交の深さは有名ですね。
 
また、ファッションも戦争や景気の変動などとも無縁ではいられないという現実もあります。不景気が叫ばれる今、歴史を振り返ることは決して無駄ではないはずです。
 
お洋服の中でも特に古い時代のものを扱う者として、こういったことを理解したうえでお勧めするというのは当然のことだと思うので、年若い世代のスタッフ達にもきちんと伝えていく責任も感じています。

ただ、こういう本を一冊読んで知識を丸覚えして、全てがわかった気になってしまうのではつまりません。気になった年代やデザイナーのことがもっと詳しく知りたくなったら、更に掘り下げた本を読んでみたり、関連する題材の映画を観てみることもお勧めします。
次から次へ興味が派生していく楽しみも、読書の醍醐味です。
 
 
 
 
今日、何を着るか。日常のなかで当り前のように繰り返しているこの作業は、自分を表現する上でとても大切なこと。そして、その日常もまた大きな歴史の一部になっていくのだと思うと、朝の身支度の時間が少し長くなりそうです。